2015年12月6日日曜日

東京だとランドセルの問屋街というか工房が足立区に集中しているみたいね

さっきたまたまネットで観た、サイエンスチャンネルの「ランドセルができるまで」が面白かった。
ランドセルって5万以上してものすごく高いわけだけど、なんであんなに高いのか、
これを観るとちょっとわかるかもしれない。かなり手間暇かけて作っているのよ。


で、これ観てたら明らかに町工場のおっちゃんおばちゃんが手作業で作っていたものだから、
一体どこで作っているのかなと気になって調べてみたら、どうも東京だと足立区に問屋街というか
工房と言ったほうがいいのかな、そういうのが集中しているみたいね。

ちょっとまとめてみましょう。
大峽製鞄(おおばせいほう)
ここは高級ランドセルの老舗として一番ブランド力のあるところではないかなと思う。
皇室の薬箱を作ったり、学習院初等科の指定ランドセルを制作していたりしている工房。
つまり皇室の皇太子様や愛子様のランドセルもここが作っている。

ここの特徴は職人の手仕事でしっかり作られていて、とにかく丈夫なこと。
実は私もここのコードバンの財布を使っているのだけど、とにかく丈夫で、年数を経たときに
他のメーカーとの明確な差を感じる。

具体的に書いてしまうと、伊勢丹本店で買ったキプリス(CYPRIS)の財布も、一番丈夫と
言われているコードバンのものだったんだけど、2年位使っていると、中の方の作りが甘くて、
人工素材を使っているあたりの部分が剥がれてきてしまったりしていたのよ。

ところが大峡製鞄のは全くそういうのなし。値段も高いのだけど、全部にコードバンを使って、
他の製品であるような細かいところでの手抜きが一切ないから、その手の剥がれが全くない。
長く使う前提で製品の設計がされているというのがよくわかる。

下記記事に別途まとめてみたので、画像付きで詳細知りたい方はご参照いただくとよいかと。
【皮革製品比較】キプリスとの比較でわかった大峡製鞄の圧倒的頑丈さ

大峡製鞄のランドセルの価格は、一番安い人工皮革のクラリーノタイプで40000円+税で、
一番売れているスタンダードな牛革タイプで57000円+税。

本店の場所は東京都足立区千住 4-2-2、つまり北千住が最寄り駅。
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土屋鞄
土屋鞄も誰もが名前を聞いたことがあるような有名な鞄メーカーであるけれども、
実は創業の地であり、現在も工房がある本店は足立区にある。

土屋鞄のランドセルの価格は人工皮革のクラリーノタイプで税込み53000円で、
牛革タイプだと税込み60000円。

場所は東京都足立区西新井7-15-5なので、西新井大師西駅のすぐそば。
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中村鞄製作所
ここも手作りのランドセル工房で、子どもと一緒なら工房見学もできるとのこと。
ちょっと中村鞄に関する面白い記事を見つけたのでそれを紹介しておこうかと。
革製品と帽子のOEMなら台東区の製造メーカーへ ハット、バッグ、レザー、革製品、靴、帽子、ベルト、革小物 | 台東ファッションザッカフェア
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 中村鞄製作所は、西新井大師にほど近い足立区関原で、伝統的な「学習院型」のランドセルを作り続けてきた。かつては足立区内だけでたくさんのランドセルメーカーが存在したが、海外生産や少子化の影響を受け、現在は7社に減った。というと、斜陽産業のように聞こえるが、中村鞄製作所に限ってはそうではない。毎年12月になると翌年分が完売するほど全国から注文が舞い込む。その理由は、母親たちの口コミ効果によるものだと営業部長の中村徳光さんは指摘する。
ランドセルというのは、新品時は違いがわかりにくいものです。しかし、3年使うと、品質の差が目に見えてきます。よそのランドセルが型崩れしたり、革が剥がれたりしているのに、うちのランドセルは真新しい状態を保っている。それを見た同級生の親たちが、『それどこのランドセル?』と評判が評判を呼んでいる状況です」  同社では、すべてのランドセルで6年間修理代、送料無料の保証をうたっているものの、修理に戻されるランドセルはほとんどないという。その耐久性はどこから生まれるのか。
「まず、職人にあれもこれも作らせないことです。他社では繁忙期のみランドセルを作り、閑散期は、別の鞄を作るところがありますが、うちはランドセルしかやりません。ミシンも同様で、あれもこれも縫うと調子がおかしくなります。この部分は、このミシンでしか縫わないというように、生産を突き詰めていかないと、本当にいいものは作れません」
 職人たちは、すべて社員。外注には一切出さない。しかも、各人が裁断から縫製までこなせる技を持つ。そのレベルの高さは、第42回東京かばん技術創作コンクールで台東区長賞の受賞、平成19年度の「足立ブランド」に認定されるなど、行政からも高く評価されている。
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上記で、個人的に気になった部分を太字で記載したが、そうそう、私のコードバンの財布の
事例でもあったとおり、この手の革製品って年数を経た時に明確な差になって現れるんだよね。
そっか、ここはランドセル専業でやっているんだ。なるほどね。 たしかにネットの掲示板などを
見る限りかなり評判もいいので、ランドセルを選ぶ際には有力候補にした方がよさ気な印象。

中村鞄のランドセルの価格は、人工皮革のベルエースのもので、税込み46000円で、
牛革タイプのものは62000円。ちなみにクラリーノとベルエースの違いは、繊維メーカーの
違いで、クラレが作っているのがクラリーノ、カネボウが作っているのがベルエース。
ここがベルエースを採用しているのはクラリーノよりも丈夫だからとのこと。

場所は東京都足立区江北1-32-1で最寄り駅は江北か高野。
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ナース鞄工(ほうこう)
ページを見た限り、比較的安価でもデザイン性の高いものを取り揃えている印象。
ただ、デザインに力を入れつつも、ここも職人さんが一つ一つ手作りで作っている。

ナース鞄工のランドセルの価格は、人工皮革のクラリーノタイプで47000円+税で、
牛革タイプで56000円+税。

場所は東京都足立区梅島3-12-20で梅島駅が最寄り駅。
楽天で「ナース鞄工」で検索



三の和金宮(みのわかねみや)
ここも足立区にあるランドセルメーカーということでピックアップ。ただ、情報量が少なく、
素性がよくわからない。場所は東京都足立区竹の塚4-9-13で最寄りは竹ノ塚駅。



東京袋物技工協同小組合
こちらは工房ではないのだが、皮革製品を作っている小さな工房が寄り集まった組合が
やっている販売店とのことで、なんとランドセルが市価の40%OFFという激安で買えるとのこと。
しかも6年間保証もついているのに!イオンやイトーヨーカドーより全然安く買えるんじゃない?

場所は東京都足立区梅島1-6-5なので梅島が最寄り駅。



以上、足立区にあるランドセル工房に関してまとめてみたが、足立区は皮革産業で発展した
という経緯があって、ランドセルの工房が集中しているようだ。全国のランドセル工房を
回るのは現実的に難しいと思うので、雛人形や五月人形でいう人形町の問屋街みたいな
感覚でランドセルのお店を回って探したいなら、東京であれば足立区に絞って探すのが
よいのではないかと思う。

なんせ大峡製鞄、土屋鞄、中村鞄といったランドセルの有名どころが揃っている上に、
半額近い値段でランドセルを売っている組合の直売所まであるので。

8月~9月がランドセル予約のピークではあるが、人気のところはその前から予約が
立てこんだりしているようなので、ちょっと早めに各ページで見学会等のチェックを
しておくのがよいかと。