2013年2月18日月曜日

ガス機器のkW表示とkcal/h表示の変換ができるツールを作ってみた

ガスファンヒーター、ガスコンロ、ガス湯沸かし器など、ガス製品には、
一定時間にどれだけの熱を発生させることができるかという、熱量発生能力を
表すkWやらkcal/hという単位が使われているのだが、機器や時代によって表記が
バラバラで、いまいちわかりにくい。なので、2つを簡単に変換・換算できるツールを
作ってみた。
kcal/h
kW

使い方は簡単。1000kcal/hが何kWか知りたければkcal/hの方に1000と入れて、
「kcal/hをkWに変換」のボタンを押せばいいし、2.44kWが何kcal/hなのかが
知りたければkWの方に2.44と入れて、「kWをkcal/hに変換」のボタンを押せばよい。

理屈はどうでもいいから単にkWとkcal/hの変換がしたいという人は上記を使えばOK。
もうちょっと詳しくkWとkcal/hの変換に関して知りたいという人向けに、下記に必要そうな
項目について説明を書いてみる。

▼ガスの熱量を表すのに、カロリー表記とワット表記の2種類があるのはなぜか?
歴史的経緯で元々は熱量を表すのにカロリーを使っていたが、1999年に計量法改訂の
適用がされ、ジュールをベースにした単位に変更されたため。
ちなみに1J(ジュール)は1W(ワット)の仕事を1秒間行ったエネルギーと同じ。

▼ガス製品のカロリーとジュールの変換はどのカロリー定義を使っているのか?
wikipediaのカロリーの項目を見ても、カロリーの定義の仕方によって、ジュールへの
変換式が複数存在するというやたらややこしいことになっている。
大阪ガスの単位換算表を見ると、1cal = 4.18605J の換算式を使っているので、
旧計量法カロリーとジュールの変換式を使うのがよいようだ。

▼具体的にカロリーをワットやジュールに変換するにはどう計算すればよいのか?
kcal/hをkWに変換する際にやるべきことは2つ。
1.カロリーをジュールに変換する
2.1時間あたりの熱量を1秒あたりの熱量に直す
理由は単純。ワット(W)というのは1秒間に発生させる熱量(ジュール)と同じだからだ。

1000kcal/hをkWに直す例を考えよう。まずはカロリーをジュールに直す。
1cal = 4.18605Jなので、
1000kcal/h = 1000 * 4.18605 kJ/h = 4186.05kJ/h
上記は1時間あたりに生成される熱量なので、これを1秒あたりに変換する。
1時間は3600秒なので、上記を3600で割ってあげればよい。
4186.05 / 3600 = 1.1627916・・
ということで約1.16KJ/s = 1.16KWになる。
繰り返すが1W・s = 1Jだ。

kWをkcal/hにするには上記と逆の計算をすればよい。すなわち、
1.ジュールをカロリーに変換する
2.1秒あたりの熱量を1時間あたりの熱量に直す

2.44kWをkcal/hに直す例を考えよう。まずはジュールをカロリーに直す。
2.44kW = 2.44kJ/s = 2.44 / 4.18605 kcal/s = 0.582888・・ kcal/s
上記は1秒あたりに生成される熱量なので、これを1時間(3600秒)あたりに直す。
0.582888 * 3600 kcal/h = 2098.39・・ kcal/h
ということで2098.39kcal/hになる。