2012年12月28日金曜日

セイコー(SEIKO)とシチズン(CITIZEN)の違いをラインナップの観点から

セイコー(SEIKO)とシチズン(CITIZEN)の違いに関してはYahoo!知恵袋の下記のURLが詳しい。
ヤフー知恵袋「SEIKOとCITIZENの違いについて。」

つまりはコストパフォーマンスならシチズン、ブランド力と技術力(特に機械式、宝飾時計など)
はセイコーという結論なのだが、ここではちょっと掘り下げて、具体的に価格帯による
ラインナップの違いがどうなっているのかについて書いてみようと思う。
各時計の画像はそのブランドを象徴しているようなものをピックアップしてみようかと。


▼低価格帯(1万円前後)のラインナップ
この価格帯に関しては両社ともブランド価値を落とさないために、SEIKO、CITIZENの
名前を使わずに別のブランド名で展開をしている。

・SEIKOの低価格ブランド「ALBA(アルバ)」
http://www.alba.jp/index.html
基本的には電池モデルのクオーツがメインでソーラーはあまりなし。価格は1万円前後が
メインだが、実際は5000円以下で買えるものも多くある感じ。
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・CITIZENの低価格ブランド「REGUNO(レグノ)」
http://reguno.jp/index.html
同じくCITIZENの低価格ブランドだが、SEIKOとの違いは電池モデルだけでなく
ソーラー時計も充実していること。電池モデルは1万円前後、ソーラーモデルは2万円前後
の値段設定になっている。こちらも実売価格は5000円以下のものも多い。
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ちなみに、この価格帯のラインナップで言うと、海外向けにしか展開していないのだが、
SEIKOから機械式時計のラインナップが出ている。日本向けに作っていないので逆輸入と
いう形でドン・キホーテなどで取り扱っていたりする。

・SEIKOの海外向け機械式時計ブランド「SEIKO-5」
http://seiko.in/collections/
自動巻き機能、日常生活防水機能など、日常使いに必要な機能はついているので
機械式時計をまずはつけてみたいという人にはおすすめ。日差40秒程度と、毎日時間が
ずれるので、時間合わせは毎日必要。日本では5000円から1万円前後で手に入るはず。

ちなみにセイコー5のファイブって何?という人のために一応書いておくと、
日常使いで便利な5つの機能を持っているという意味で、
-防水性(日常生活防水~10気圧防水)
-日付曜日表示(デイデイト機能)
-歩行などの腕を振る動きで自然とゼンマイが巻かれる(自動巻き機能)
-切れないゼンマイ(ダイヤフレックス)
-耐ショック性(ダイヤショック)
を指している。 特に最初の3つの機能はいろいろ便利かと。
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▼中価格帯(3万円~5万円前後)のラインナップ
この価格帯がそれぞれSEIKO、CITIZENブランドで売り出すメイン価格帯のもので、
新年度近くの入学、新社会人向けに大きく広告を打ったりするブランド。
時計のブランドは出来たり無くなったりといろいろ変わるので、主なブランドだけ紹介。

・SEIKOの女性向け中価格ブランド「LUKIA(ルキア)」
http://www.seiko-watch.co.jp/lukia/
ソーラータイプとソーラー電波タイプがメインで価格は3万円から5万円前後。
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・SEIKOの男性向け中価格ブランド「SPIRIT(スピリット)」
http://www.seiko-watch.co.jp/spirit/
SPIRITは女性物もあるから男性限定というわけでもないのだけど、男性向けブランドは
もうちょっと高い価格帯になってしまうので、この価格帯のくくりに当てはめるとすると
これになるかなと。 価格帯は2万円から5万円くらい、ラインナップは電池モデルから
ソーラー、ソーラー電波モデルと多彩。デザインはスタンダードなものが多い感じ。
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・CITIZENの女性向け中価格ブランド「xC(クロスシー)」
http://citizen.jp/xc/index.html
こちらも同じくソーラータイプとソーラー電波タイプがメインで価格は3万円から5万円前後。
CITIZENのソーラーは「エコ・ドライブ」というわずかな光で長時間動く仕組みになっている
のが特徴。
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・CITIZENの男性向け中価格ブランド「CITIZENコレクション」
http://citizen.jp/collection/lineup/index.html
これも女性向けもあるので男性専用ブランドではないのだけど、男性向けブランドが
もう1ランク高い価格帯になってしまうのでこの価格帯のくくりに当てはめるとこのブランド
になる。ラインナップは3針からクロノグラフまで多彩で、電池式はなくソーラーと
ソーラー電波のものがある。「エコ・ドライブ」の技術がある分、CITIZENはソーラーを
全面に押し出している感じ。価格帯は1万5千円前後から6万円くらいまで。
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▼準高級価格帯(10万円前後)のラインナップ
中価格帯の時計よりワンランク高い価格帯のものがこれ。オメガ、ロレックスに代表される
ような高級時計の価格は20万円以上なので、そこまでいかないが良い目の時計という
ポジション。基本的にSEIKOとCITIZENは両方に同様のコンセプトのラインナップがある感じ。
これも新たなブランドが出来たり無くなったりと変わるので主なものを紹介。

・SEIKOの男性向け準高級ブランド「BRIGHTS(ブライツ)」
http://www.seiko-watch.co.jp/bz/
この価格帯のブランドはいくつかあるが、一番主要なものはこれ。
高めの価格帯のものだけあって、SEIKOの持つ加工技術をもろもろつぎ込んでいる。
特徴はいくつかあるが、一番大きいのはブランド名の由来にもなっている「ブライトチタン」
という素材を使っていること。チタンは軽くて金属アレルギーを起こしにくいのが特徴だが、
ステンレスと比べて色が鈍くて一言で言うと美しくないのが欠点。
このブライトチタンはチタンなのにステンレスに近い光沢を放っているのが特徴。
でも若干ステンレスより色が鈍いとは思う。
基本的にはソーラー電波時計で若めなデザインのものが多い。価格は10万円~20万円くらい。
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・SEIKOの男性向け準高級ブランド(フォーマルタイプ)「DOLCE(ドルチェ)」
http://www.seiko-watch.co.jp/de/
ブライツが若めのデザインをしているのに対して、こちらは高級感のある落ち着いた
デザインをしているのが特徴。ラインナップはソーラーとソーラー電波のものがあって、
価格帯は10万円~15万円くらい。
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・SEIKOの女性向け準高級ブランド(フォーマルタイプ)「EXCELINE(エクセリーヌ)」
http://www.seiko-watch.co.jp/de/
ドルチェ同様、高級感のある落ち着いたデザインをしているのが特徴。
ラインナップはソーラーと電池駆動のものがあって価格帯は5万円~10万円くらい。
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・CITIZENの男性向け準高級ブランド「ATTESA(アテッサ)」
http://citizen.jp/attesa/index.html
SEIKOでいうブライツに対応するポジションの若いデザインの準高級ブランド。
こちらもブレスにチタンを使っているが表面に加工をして強度を上げている。
すべてエコ・ドライブのソーラー電波時計。価格帯は5万円~15万円くらい。
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・CITIZENの男女向け準高級ブランド(フォーマルタイプ)「EXCEED(エクシード)」
http://citizen.jp/exceed/index.html
SEIKOでいうドルチェ&エクセリーヌに対応するポジションのフォーマルなデザインの
準高級ブランド。価格帯は5万円~20万円くらい。
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▼高級価格帯(20万円以上)のラインナップ
20万円以上の価格の高級時計はロレックス・オメガ等、スイスブランドの時計が有名だが、
SEIKOとCITIZENも作っている。他の価格帯のものに関してはSEIKO、CITIZENともに
同機能の対応するブランドがあるが、この価格帯ではいろいろと違いが出てくる。
ラインナップの充実度とブランド力はSEIKOが上。特に機械式時計に関しては、
最近まではSEIKOにしかなかった。もう一つ、SEIKOはこの価格帯のラインナップに
「スプリングドライブ」という、独自技術を使ったものを投入している。
高級価格帯の時計に関しても各社ラインナップを追加しているが、ここでは昔からある
特に主要なラインナップに絞って紹介する。

・SEIKOの男性向け高級ブランド(ビジネス時計)「Grand Seiko(グランドセイコー)」
http://www.seiko-watch.co.jp/gs/
デザインは極めてオーソドックスなビジネス時計で、重厚感のある太い針が特徴。
ラインナップは大きく3種類あって、電池駆動のクオーツ、機械式時計、スプリングドライブ
のものがある。クオーツは精度の高いものを厳選して使うことで年差10秒を実現している。
ちなみに通常のクオーツは月差15秒くらいが相場。
機械式は精度がやたらいいのが特徴。日差5秒以内と、高級時計のロレックスが日差10秒
程度なのと比較してもかなり高い。モデルによってはゼンマイの寿命が長い(72時間、通常は
48時間くらいが高級時計の相場)ものや、テンプの振動数が多いもの(秒間10振動、
高級時計の相場が8振動、SEIKO-5など安いモデルは6振動)もある。テンプの振動数は
一般に精度に影響すると言われる要素。
スプリングドライブというのはSEIKO独自の技術で、駆動はゼンマイ、リズムを取るテンプの
部分にクオーツを使ったもの。テンプを使った機械式時計と比べて精度が高い(月差15秒、
機械式の高級時計が日差10秒程度)のに加え、秒針がプールの時計のようになめらかに
動くのが特徴。
価格帯は20万円~300万円くらいだが、中心価格帯はロレックスのビジネスタイプ同様、
30万円~50万円くらい。結納返しなどで選ばれるケースも結構ある感じ。
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・SEIKOの女性向け高級ブランド(宝飾時計)「CREDOR(クレドール)」
http://www.credor.com/
SEIKOの作る時計の中で一番高いのがこのブランド。金やダイヤなどを使った宝飾時計の
ラインナップが多いから。バーゼルフェアというスイスで毎年開かれる高級時計の見本市
でもこのブランドで技術の粋を結集した時計を出展している。
ラインナップはグランドセイコー同様、電池駆動のクオーツ、機械式時計、スプリングドライブ
の3種類。男性向けラインナップもあるが女性向けのものが多い。
価格帯は20万円~3500万円と幅広い。ちなみに3500万円の時計はなんでそんなに
高いかというと、ベルを鳴らした回数で現在時刻を知らせるという、複雑な機能を機械式で
つけているから。デジタル時計では100円時計でも実現できそうなことを機械式でやろうと
すると、天才時計師しか実現できないような高度な技術を要することになる。
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・CITIZENの男性向け高級ブランド(ビジネス時計)「The CITIZEN(ザ・シチズン)」
http://citizen.jp/the-citizen/index.html
SEIKOでいうグランドセイコーのクオーツモデルに対応するのがこのモデル。
最近機械式モデルも出し始めたが基本的にはクオーツモデルが主体。
特徴はSEIKOの年差10秒よりもさらに少ない、年差5秒のクオーツ。
あと、10年間無料保証をしてくれる充実したアフターサービス。
SEIKOは高級感を維持するためなのか、高級ラインにソーラー技術を使っていないが、
ザ・シチズンはエコ・ドライブを使った高級ラインナップも用意している。
価格帯は15万円~35万円くらい。
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・CITIZENの男性向け高級ブランド(技術時計)「CAMPANOLA(カンパノラ)」
http://campanola.jp/
クオーツ時計としてできる最高の技術を詰め込むコンセプトで作られたのがこの時計。
基本的には機械式高級時計でやっていることをクオーツ時計で実現している感じ。
いくつか例を挙げると、ムーブメントの表面に波模様の装飾を施す「コート・ド・ジュネーブ」や
ケースの職人による磨きこみ、月の満ち欠けがわかるムーンフェイズ、うるう年も考慮した
日付計算を行い日付の修正の必要がないパーペチュアルカレンダー、現在時刻をベルの
鳴った回数で教えてくれるミニッツリピーター機能などなど。
価格帯は20万円~50万円くらい。
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ということで、SEIKOとCITZENの違いをラインナップの観点から説明したが、両社とも
片方にあって片方にないラインナップを補完しようとしており、差はなくなりつつある。
SEIKOがソーラー系を充実させて、CITIZENが機械式や宝飾時計を充実させはじめて
いる感じで。

ただ、元々の技術的経緯などを踏まえてSEIKOとCITIZEN両社の違いを言うなら、
CITIZENはSEIKOより値段が安めで、ソーラー技術が強い。
SEIKOはCITIZENよりブランド力があり、機械式やスプリングドライブなど高級時計ラインの
技術が強い。
というところかと。まぁ時計選びの際は両社の同コンセプト、同価格帯のラインナップの中で
好きなものを選べば、どっちにしても間違いはないと思います。


ちょっと追記で。どうも各価格帯でどう違うのか、安い時計と高い時計で何が違うのかを
知りたがっている人が結構いるみたいね。ちょっとさすがに記事が長くなりすぎたので、
別の記事に書こうと思うのだけど、簡単に書いておくと、材料とつぎ込む技術が違います。

一番わかりやすいのはガラスで、一番安いけど傷つきやすいのはプラスチックガラス、
その次はいわゆる普通のガラスのミネラルガラス、で一番高いのが、ダイヤ以外では
傷つけることができない、人工サファイアを使ったサファイアガラス。セイコーブランドで
展開している時計はサファイアガラスを使っているからALBAよりも値段が高いのよ。

あとはグランドセイコーになるとクオーツに誤差の少ない年差クオーツを使っているとかね。
普通のクオーツは一月で15秒前後ずれるから、年で数秒しかずれないというのは、
それだけよいクオーツを選りすぐっているのよ。そういう違いがあるけど、あとで詳しく書くわ。

続き書いてみた。まだ網羅できている感じはしないけど、ある程度価格帯によって何が
変わってくる要素になるのかは記載できたのではないかと。
セイコーやシチズンの価格帯による高い時計と安い時計の違いについて